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このブログでは、財務担当者(finanncial manager)という用語を重要な投資あるいは資金調達の決定に責任を持つあらゆる人を指して使うこととする。このブログで論じられるすべての決定に1人の人間が責任を持つ場合というのは、最も小規模の会社においてのみである。多くの場合は、責任は分散されている。最高経営幹部は、もちろん継続的に財務上の決定に関与している。しかし、新しい生産施設を設計するエンジニアも関与している。彼らの設計は、会社が保有することとなる実物資産の種類を決める。大々的な広告キャンペーンを手がける販売担当者も重要な投資の決定をしている。かれらのキャンペーンは、将来の売上や利益の形で元を取ることが期待される無形の資産への投資なのである。

そうはいっても、財務を専門とする経営幹部もいる。財務部長(treasurer)は、会社の現金をフォローし、新たな資本を調達し、銀行や株主、さらに会社の証券を保有する投資家との関係を維持することに責任を持っている。

小さな会社では、財務部長がおそらく唯一の財務担当経営幹部であろう。より大きな会社には経理部長(controller)もおり、財務諸表を作成し、会社内部の会計を管理し、納税の義務に注意を払っている。財務部長の主な責任は会社の資本を獲得し、管理することであるのに対し、経理部長は資金が効率的に使われることを確保する。

さらに大きな会社では、通常、財務部長および経理部長の両方の仕事を監督するために、最高財務責任者(CFO;chief financial officer)が任命される。CFOは、財務上の運営方針および経営企画に深く関与する。CFOは、厳密な意味での財務上の問題を超えた一般的な経営上の責任を有し、おそらく取締役会のメンバーでもあろう。

経理部長、またはCFOは、主要な資本投資プロジェクトは、製品開発、生産およびマーケティングの計画と密接に結びついているので、これらの分野からの経営幹部は不可避的にプロジェクトの計画および分析に関与することになる。会社が経営企画を専門とするスタッフを抱えている場合には、彼らもおのずと資本支出予算に関与することになる。

多くの財務上の問題については、その重要さのため、最終的な決定はしばしば法律または慣習によって取締役会の判断でなされることになっている。例えば、配当を宣言したり、または、証券の公募発行を認めたりする法的権限は取締役会のみが有する。通常、取締役会は小規模ないし中規模の投資支出決定権を委任するが、大規模な投資を承認する権限が委任されることはほとんどない。
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