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大企業では、所有と経営の分離には、実際所の必要性がある。主要な企業には、何十万人もの株主がいるであろう。彼らの全員が経営に積極的に関与する方法は考えられない。NY市を、すべての市民による一連のタウンミーティングによって運営するようなものである。権限が経営者に委任される必要はある。
所有と経営の分離には、明らかなメリットがある。事業の運営を妨げることなしに株式の所有を変えることができる。会社は、プロの経営者を雇うことができる。しかし、もし経営者と所有者の目的が異なると、問題も生じる。次のような危険がある。経営者は、株主の要望に耳を傾けるよりも、ゆったりした、あるいは贅沢なライフスタイルを追求するかもしれない。また、彼らは不人気な決定を回避するかもしれない。あるいは、彼らは株主の資金で自らの帝国を築こうと企てるかもしれない。
このような株主と経営者の目的の対立は、プリンシパルエージェント問題を引き起こす。株主がプリンシパル(依頼人)であり、経営者は彼らのエージェント(代理人)である。株主は経営陣に企業の価値を高めてもらいたいが、経営者はひそかに利己的な目的を抱いたり、私服を肥やそうとしたりするかもしれない。エージェンシー・コスト(agency cost)は、(1)経営者が企業価値を最大化しようと企図しないとき、および(2)株主が経営者を監視し、その行動に影響を与えるために費用を負担するときに発生する。もちろん、株主が経営者でもあるときにはコストはまったく生じない。それが個人企業のメリットの一つである。オーナー企業には利益相反は存在しない。
株主と経営者の間の対立が、財務担当者が遭遇するであろう唯一のプリンシパル・エージェント問題ではない。例えば、株主が経営者に株主の利益のために働くよう促す必要があるのとちょうど同じように、経営幹部は会社の従業員の意欲をどうやって引き出すかを考える必要がある。この場合は、経営幹部がプリンシパルであり、中堅の経営者およびその他の被用者が彼らのエージェントである。
エージェンシー・コストは、資金調達の際にも生じる可能性がある。平常時においては、会社に資金を貸している銀行や債権保有者は会社の繁栄を望む点で株主と一致しているが、会社に問題が生じると、この目的の一致は崩れ得る。このようなときには、会社を救うために決定的な変化が必要かもしれないのだが、貸してはその資金を取り戻すことに関心があり、会社が自分たちの融資の安全性を危険にさらすかもしれないようなリスクのある変化を進めることには難色を示す。会社が倒産の方向に向かい、貸し手が債権者の行列の中でよりよい地位を競うようになると、異なった貸し手の間で争いが起きることさえありえる。
会社の価値全体を多くの請求権者に分けられる一つのパイと考えよう。請求権者には、経営陣と株主、そして会社の労働者や銀行、社債を買った投資家などが含まれる。政府も、会社の利益に課税できるので請求権者である。
これらのすべての請求権者は、複雑な契約や了解事項の網によって結び付けられている。例えば、銀行が企業に資金を貸し付けるときには、銀行は、金利や返済期日を定め、おそらく配当やあるいは追加的な借入れに制約を貸した公式の契約書の作成を求める。しかし、将来起こりえるすべての出来事をカバーした書面でのルールを作ることは不可能である。したがって、書面での契約は不完備であり、多様な関係者の利害の調整に役立つような了解事項や取り決めによって補完される必要がある。
プリンシパル・エージェント問題は、誰もが同じ情報を持っている場合には、より簡単に解決できるだろう。ファイナンスにおいては、そうしたことは稀である。経営者、株主、そして貸しては、実物ないし金融資産の価値について、みな、異なった情報を持っているかもしれないし、また、すべての情報が明らかにされるまでには何年もかかるかもしれない。財務担当者は、こうした情報の非対称性を認識し、厄介な驚くようなことは何も進行していないと投資家を安心させる方法を見つける必要がある。
一つ例を挙げよう。あなたが、つま先の病気を治すための薬を開発し、これを売り出すために新たに設立された会社の財務担当者であると仮定しよう。潜在的投資家との会合で、あなたは臨床試験の結果を示し、独立した市場調査会社の楽観的な報告書を見せ、一層の投資を正当化するのにあまるほど十分な利益を予測する。しかし、潜在的投資家は、彼らよりもあなたの方がより多くのことを知っているのではないかと、まだ心配している。真実を述べていると彼らに確信させるために、何ができるだろうか。ただ「自分を信じてくれ」というだけでは、うまくいくまい。おそらく、あなたが語ったとおりにあなた自身の資金を投じることによってあなたの誠実さについてのシグナルを送る必要があるだろう。例えば、投資家は、あなたや他の経営者が新たな事業に個人的に多額の出資を行っていると知れば、あなたの計画への信頼をより高めることになるだろう。したがって、自分自身の資金を投資するとの決断により、投資家に真の企業の見通しに着いての情報を提供できるのである。
次の章において、会社が目的や情報の差異によって作り出される問題にどのように対処するかをより詳しく見ることにしよう。
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